言葉の力、音楽の力

唐突だが、僕は毎日3,0005,000字の文章を量産する仕事をしている。というか、社会に出てから文章を書く仕事しかしていない。

内容は、様々な文章を依頼されたテーマに沿って書いたり、自分で取材したりして書いたりしている。

文章は3,000字もあれば、それなりに伝えたい事を伝えることができるのはもう、経験則で完全に体に染み付いている。

 

言葉を使って人に気持ちを伝えるということの難しさは、小学生の頃の読書感想文で誰もが経験したと思う。あと好きな子に手紙を書いて目の前で破り捨てられたりとかされたことがある人も多いだろう。僕だけか。

ちなみに藤本は昔、課題図書の内容を全否定する読書感想文を書いて職員室に呼び出され説教1時間、その時思った「表現の自由は死んだ。理不尽。死ね」。最後の死ねという言葉を思わず口に出してしまい、謝るつもりが舌打ちしてしまって火に油を注いで大炎上させてしまった。焼け跡に、純粋な心を置いてきた。

 

まあともあれ、私たちは誰かに気持ちを伝えるとき、言葉を使って直接話したり、電話したり、ラインしたり、手紙を書いたりするだろう。

我々バンドマンはただ、表現手法に言葉+音楽を用いているだけなのだ。それを曲と呼んで人からの共感を求める存在なのだ。

 

例えばラストデイという僕の曲は、自分の気持ちを134字の詞と、2分ほどの音楽で伝えている。3,000字の文章でも伝えることができない想いがそこには内包されている。

きっと我々は誰よりも想いを伝えることの大切さを知っていて、誰よりも表現方法が不器用だから音楽をやっているのだろう。

短い言葉でも、そこに音楽が加わることで、より伝えたい気持ちが人に伝わる。

 

音楽を聞くときは改めて、制作者の想いや、その曲の言葉の力、音楽の力を感じてみて欲しい。

どんな文章よりも、どんな長文よりも心を動かすことができるのは音楽がそこにあるからだ。

 

 

フジモト(Gt.Vo